龍は日本列島の形ともいわれ、古より龍が宿る国とされてきた。
中国の龍やインドのナーガ、西洋のドラゴン。
世界各地で多彩多様にある龍のイメージ。
日本の龍は平安時代に本格的にその姿を現した。龍は主として稲に必要な雨を降らせる水神様として、時には稲妻を起こす存在として、日本の中に深く、広く根付いていった。
日本列島を見渡すと龍のついた地名が多く存在している。
昔の人々は国土の地下には龍が棲んでいると信じ、その入口である龍穴は龍にアクセス出来る場所として祀られてきた。
湖や池沼、あるいは滝や河なども、その底には龍の棲かがあり、それらも穴道で龍穴や他の湖海などと繋がっているとされていた。
現代の日本で暮らす人々の心の中にも龍は存在している。日本の原風景には龍が織り込まれていて、神社仏閣、祭事、縁起物、装飾品などに龍はシンボリックに描かれ、言葉や地名には龍が刻まれている。
龍はこの世に姿を見せるわけではないが、エネルギーとして、信仰の対象として存在し続けて、この国に宿っている。
Sasquatchfabrix. 24-25AWは「Eastend Dragons」と題し、世界各地に多彩多様なイメージをもつ龍をモチーフとして多用しながら、「東洋的な物事の見方」を再考したコレクションとなっている。
時代が移り変わっても、
人々の心の中に棲み続けた龍を追い出す事は出来ないのである。
道に迷ったら心の中に棲む龍に語りかけてみるのも良いかもしれない。